医薬品卸 史料館
卸の歴史と発展
医療社会の発展を支えてきた
医療品流通の歴史をたどり
その役割などをご紹介します。
明治政府は、明治7年(1874)「医制」を発布、この中で政府は「西洋医学に基づく医学教育の確立」「近代的な薬剤師制度の設定」「医薬分業制度の整備」などの方針を明記しました。
薬事関連では、特別な効果の検証なく売られてきた売薬の規制を行い、薬品の基準となる「日本薬局方」を作成しました。続いて明治22年(1889)には「薬品営業並薬品取扱規則(いわゆる「薬律」)」の中で、薬剤師、薬種商、製薬者、薬品取扱を法制化して近代的薬事制度の基を築きました。
西洋医学の進展には、正しい薬学知識に基づく西洋薬の流通もまた不可欠であり、この時代に薬剤師または薬種商として起業した多くの企業が、現在の医薬品卸の基盤となっています。
製薬事業が日本に確立したのは、第一次世界大戦への参戦が契機。第一次世界大戦参戦により西洋薬のドイツからの物資輸入がストップし、供給面で深刻な影響が現れました。そこで政府は西洋薬自給のため、臨時製薬部の設置、製法の公表、民間企業への補助金交付、ドイツ所有の特許権消滅などの方策により、新薬の国産化を大きく前進させていきました。
参考文献:くすりのまち道修町(道修町資料保存会)
卸薬業五十五年のあゆみ(社団法人日本医薬品卸売業連合会)
概説薬の歴史(天野宏 薬事日報社)
日本医薬品産業史(日本薬史学会編 薬事日報社)
各社社史
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